第4回:サイト企画事例:不動産販売企業の見込み客集め
これまでの連載で出てきた、『見込み客』というキーワードは、Webを制作する上で、考慮しておかなければならないことのひとつです。
例えば不動産販売をしている企業のWebサイトを制作するとしましょう。そして、このWebサイトの目的は、
『物件の資料請求を受け付ける』ことです。
つまり、住宅購入を検討している人=『見込み客』を集めることです。『見込み客』を集め、営業マンがその見込み客にアプローチしていくのです。
- この目的を達成するためにどういうコンテンツを用意すればいいのか?
- また、『見込み客』にサイトを見てもらうためにはどうすればいいのか?
Webサイトを制作するということで、クライアントからお金をもらうには、こういう思考が必要になります。
私が発行しているメルマガ「スクールでは教えてくれないWebデザイナーになる方法」の読者にこの2点の質問を投げかけたところ、皆様からたくさんの回答が寄せられました。その中から一部を紹介します。
制作件名 「不動産販売をしている企業のWebサイトの制作」
■Webサイトの目的
『物件の資料請求を受け付ける』こと。
つまり、住宅購入を検討している人=『見込み客』を集めることです。『見込み客』を集め、営業マンがその見込み客にアプローチしていくのです。
■質問:
この目的を達成するためにどういうコンテンツを用意すればいいのか?
また、『見込み客』にサイトを見てもらうためにはどうすればいいのか?
皆さんの案を教えて下さい。
■読者の方の案紹介
(1)Yさんの案
今すぐ物件や土地を探している人ではなく、将来家等を探す予定の人をターゲットにするために、
- 家を買うときの心得、法律、お金などのアドバイスを載せる。
- またサイトに来てもらうために、お客様の体験談などを定期的に更新して載せる。
- 希望条件を登録してもらい、条件に合った物件があればメールでお知らせする。
(”リクナビNEXT”のように) - 今お買い得の物件をクローズアップ特集する。
私のコメント
将来家を探す人にかぎらず、今まさに探している人にとっても欲しい情報ですね。しかし、その不動産会社があまり有名でない場合、会社に対する信頼感を与え無ければ、なかなか資料請求までにはいたらないでしょう。
その点、お客様の体験談というのは、非常に客観的な意見なので、見込み客に対して信頼感、安心感を与えることができます。(amazonのレビューみたいなものです。)
希望条件を登録してもらい、条件に合う物件をメールでお知らせするというのも、いい視点です。せっかくアクセスしてもらった見込み客でも、今後もアクセスしてくれるとは限りませんよね。そういう見込み客に対しては、こちらから再度接触できるような仕組みが有効です。
お買い得の物件をクローズアップするというのもいいですね。数ある物件の中からこれをオススメします!という情報提供があればすぐに注目してもらえます。
なかなかしっかりしたご意見だと思います。Webサイトもよく観察されています。
(2)Iさんの案
- 物を売り込む際、金額が大きい、小さいにかかわらず、基本はダイレクトメールやポスティング、新聞の折込等、なんらかの形(実際存在するもの)で顧客が手にとってみれるものをまず届けることではないだろうかと考えます。
それも一度きりではなく、何度も何度も定期的にそれを続ける事により、おのずと関心がその企業、商品にむくと思います。
なぜそう考えるかと言うと、自分がいち消費者としてその策略にハマっているからです。一度では捨ててしまう広告も、二度三度、一週間おきに広告が届くと「一体何回送ってくるの!」と思いつつも内容を確認してしまいます。
そして思いのほかのっている商品が関心のあるものだったり安かったりすると
「ちょっと電話で聞くだけ聞いてみようかなぁ」なんて興味本位で電話をしたりします。そして気づけばその商品は私の手元にあります。
- 広告やチラシでまずその企業の存在を知らせ、DMなどで展示会の開催などを
告知し関心を少しでも向かせ、もちろんURLをチラシやDMに記載してホームページ
に導く - WEBで資料請求をし展示場に足を運んでくれたお客さんのみにある特典を用意し、
それをWEB上での売り文句にする。
私のコメント
いろんな企業が取り組んでいる事例でもあると思います。Webサイトはあくまで、ユーザーから行動してくれて始めてみてもらえる媒体ですから、こちらからいかに見込み客にアプローチしてWebサイトへの誘導するのか?そしてどのように資料請求を受けるのかなどという考え方が必要です。
何回も接触して認知してもらうというのもマーケティング上、有効な考え方です。
商品の性質にもよります。衝動買いするような商品の方が効果的だと思います。
Iさんのように、自分の体験と照らし合わせて考えることは大切です。自分がその商品を欲しいと感じた時、なぜそう思ったのかを常に意識しておけば、今後の仕事に役にたちます。
特典は見込み客を行動に向かわせるための後押しになりますよね。特典の内容も検討する余地があります。特典だけが目当ての客を寄せ付けない工夫です。
「失敗しないマンションの選び方」など、本当にマンション購入を考えている人のみが 欲しがるような冊子を特典にしている事例もあります。
不動産会社にとっては、本当に購入の見込みがある客のリストを集めたいのですから、特典目当ての人はいらないのです。
Iさんの案は自身の体験を客観的に振り返った、消費者意識に立ったいい案だと思います。これからもこの視点の世のサービスを観察してください。
(3)Mさんの案
- 目玉となる物件の前住居者にこの家に住んでいてここが良かった等の小インタビューと共に良い天気アンド笑顔の写真を掲載 というのはどうでしょうか?家を通して幸せを受け継ぐ。幸せのバトンタッチ。
- 各物件の写真に幸せの象徴である鳩をうるさくない程度飛ばしておく。平和な家。幸せが集まる(寄って来る)家
- 部屋の見取り図の線や色をカラフルに(優しくて 居心地良さそうな)、そして色の組み合わせを利用して部屋の大きさを錯覚?錯視?(すみません適切な言葉が解りません。)させて 実際より広く見せる。
- 私がご紹介します。みたいな不動産担当者の顔写真をヘアー、メイク(男性でも)カメラを プロにお願いして(予算がなかったらプロ志望の学生可に低報酬もしくはタダ)写真のバックも海や青空が写るような物にし アクティブ、フレンドリーな様子を見る人にアピール。もちろん顔は笑顔で。
私のコメント
お客様の声というのは、その企業のサービスに対しての客観的な意見であり、信頼性を得る為に有効なコンテンツです。
Mさんの案の場合、前住居者の声という発想が面白いですね。(私は、その会社を通じて他の物件を購入したお客様の声という発想でした。)
前住居者や、次の住居者のことは知りたくもないという人もいると思いますが、「家を通して幸せを受け継ぐ。幸せのバトンタッチ。」というメッセージでそのコンテンツを提供している理由付けができますね。
Mさんはビジュアル面での案を紹介していただきました。
ビジュアル面での表現こそWebデザイナーとして腕の見せ所です。私は最近、マーケティングなどのビジネス的な思考を意識しすぎている為か、 ビジュアル的な見せ方でマンネリになっている面がありました。大変いい刺激をいただきました。
担当者の顔写真を掲載するという案ですが、信頼感、安心感を伝える為に同様のコンテンツを掲載している事例がたくさんあります。それだけ効果があるということだと思います。
このように、事例を研究することで、より多くの案が出てくると思います。しかし、いくらいい案でも、必ず採用されるわけではありません。
なぜならば、予算が限られているからです。実際、世の中の企業の実に95%がマーケティング予算に余裕のない中小企業なのです。
そして、当然のことながらこの中小企業をクライアントにもつ制作会社が大半です。私もそのような制作会社で仕事をしていました。
このようなクライアントの場合、少ない予算である程度成果を求められます。限られた予算の中で、いかにベストの提案ができるか?そこにプロの力量が試されるのです。
次回は私がどのように提案をまとめていくのか、その過程を紹介したいと思います。
ちなみに、次回述べる考えは、私が実際に仕事をする上で実践している手法、思考に基づいたものです。これを読む事で、Webサイト作成までの具体的な過程、Web制作の現場を垣間見ていただけるのではないかと思います。
...続く
- 第1回:Webデザイナーである前に社会人であれ!
- 第2回:元化学会社製造部員の私がWebデザイナーになるまでの道のり
- 第3回:Webデザイナーになるために最も必要なこと
- 第4回:Webサイト企画事例:不動産販売企業の見込み客集め(今表示している記事)
- 以下続々掲載予定